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「晋也?居たら返事をしてくれ!」
流音は、辺りを見回し、友人の名前を叫びながら歩く。
しかし、それに対する返事は無い。
流音の叫び声が、虚しく響いて消えるだけだった。
(……、晋也、一体何処に居るんだよ……)
孤独の中、唯歩き続ける流音は、晋也の事だけを考えていた。
……、否、晋也の事だけしか考えられなかったのだ。
一人で謎に満ちたこの森に居るのは危険過ぎる。
これは、流音にも晋也にも言える事。
故に流音は、一刻も早く合流し、この森から出ようと考えていた。と、その時、視界に黒い何かが飛び込んで来た。
見ると、何匹かのコウモリが、キーキーと、耳が痛くなる程煩い鳴き声を上げながら、流音の周りを飛び回っていたのだ。
「う、うわぁぁっ!?」
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