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森の中へ……
暫く走り続けると、大きな商店街に出た。
此処はいつも人が沢山居て、賑わっている。この商店街を通り抜ければ、街の外れへ行ける。
「もう少しだな。ワクワクして来たぜ~っ!」
「正直言って、興味が無かった訳じゃ無い……、でもやっぱり危なそうだし、細心の注意を払うべきだ……」
一人盛り上がっている晋也の横で、流音は腕を組みながら、独り言の様にぶつぶつと喋っていた。
「晋也。良い?何か有ったら、直ぐに逃げ……、って……、あれ?💧」
流音が気付いた時、既に隣に晋也が居ない事に気付いた。
焦って辺りを見回すと、一軒の八百屋で、何かを買っているのが見えた。
(……、いつの間に💧人の話を聞いてくれよな……、と言うか森に行く前だと言うのに一体何を買っているんだろうか💧)
流音は呆れた様に、或いは、疲れた様に溜め息を吐くと、晋也の後を追った。
晋也は、丁度会計を終えた所らしく、両手には、二個の林檎を持っていた。
「森に行くのに何で林檎が必要なのさ?💧」と流音が尋ねると、晋也は、流音に林檎を一つ投げる。
それを流音が慌てて受け取ると、誇らしげに言った。
「それは……、腹減った時に食うに決まってるだろ!イェイ!」
流音は、肩をがくりと下げて呆れた。
「……、遠足じゃ無いんだからさ😓それに……、はぁ。もう良いや。行こうか……💧」
「? 変な奴」
(……、君に言われたく無いんだけど……、ね💧)
流音は、軽い足取りで先を歩く晋也の後を、逆に重い足取りで付いて行った。
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