誓い、復讐、裏切り

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「いやぁ、中1っても体は大人顔負けだったぜ?胸もデカいし、感度は良いし」 思考が停止する。 やがて動き出した脳は、殺意で満ちていた。 (殺してやる…) そのまま首を絞めて殺そうとも考えた。 しかし相手は大人。 不意打ちでも、万が一を考えたら得策ではない…。 智久は一度、家に帰りプランを練った。 もともと頭の良い彼は、意図も簡単に殺しのプランを練り上げる。 決行は明後日。 …もはや迷いは無かった。 ―――― 早くも二日目の放課後。実行する日がやってきた。 智久は一旦帰宅し、着替えてから学校へと戻る。 車で吉田がいる事を確認し、出て来るのを待った。 一時間後、吉田が車へと向かい歩いてくる。 智久は偶然を装い、吉田の前へと姿を現した。 「あっ、ヨッシー!!…ちょうど良かった!!」 「おぉ、永宮。どうした?」 まだ何も気付いていない吉田。 これから殺される等と、夢にも思っていないだろう。 「実は白井さんの事なんだけど…」 「白井!?なんだ、遺書でも見つかったのか!?」 予想通りに食いついてきた。 「…ううん。実は、白井さんが自殺した日にメールが来てたんだ」 「…白井から永宮に?」 吉田の問いに黙って頷く智久。 もちろんメールなど来ていない。 吉田を上手く誘い出すための嘘だ。 「白井さんは自殺する事と理由を書いて送ってくれたんだ」 「誰かに犯されて自殺を選んだらしい…。その犯人の名前と裏付ける証拠を、ある場所に隠したから見つけてほしいって書いてあった…」 吉田の顔は見る見るうちに青ざめていく。 「そ、その犯人は誰か知ってるのか…?」 「……まだ解らないよ。でも白井さんが教えてくれた場所に行けば解るんだ」 安堵の溜め息を漏らす吉田。 なんて解りやすい男なんだろうか。 「この話…、俺以外に話したか?」 智久は首を横に振る。 「そうか…。なぁ、その隠した場所ってのは何処なんだ?」 智久は気付かれない様に微笑んで答えた。 「実は…………」
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