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「寒くなってきたな」 彼女は身体を震わせる、確かに寒い。 吹雪の勢いは森に入る前に比べて弱くなってはいるが寒い事には変わらない。 まして彼女は上は暖かそうな毛皮付きの上着と中にはカーディガンを着ているが下はストッキングを履いてるとはいえスカート姿、流石に冷えるだろう。 「帰りましょうか。」 僕の提案に彼女はもう少し星を見たかったと文句を言いながらも渋々承諾する。 もう少しも何も星なんか一つも見えなかったじゃないですか…とは口にしない。 「はいはい、また次見に来ましょうよ。」 「…そうだな。」 彼女は少しの間どこか視線が定まないといった風に死んだ目を見せながら頷いた後、次の瞬間には鼻歌を歌いながら歩きだす。
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