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「後輩君、今日はどこに冒険に行こうかな。」
僕より先を歩いていた彼女はこちらに振り向きそんな事を聞いてくる。
「知りませんよ。行き先はいつも先輩が決めてるじゃないですか。それに今日だって目的地を告げず呼び出したのは先輩の方だし…」
「ふふふ…自分の意見を持たない君はそれだからいけないのですよ。」
僕を小ばかにしたような笑みを浮かべながら彼女は右手人差し指を一本だけ立て横に振る。
「僕の意見なんてたいてい却下するくせに…」
「なんだとぅ!?そんな事言う後輩には天罰だ!」
「ぁ……」
彼女は僕の食いかけだった肉まんをさっと鮮やかに奪い口に入れてしまった。
僕は小さく非難の声を挙げたがもう遅い。
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