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「初恋」
手を繋ぐ事さえない僕ら
付き合ってどれくらい
たったんだろう
はぐれた掌が切なくて
手を繋ぐ勇気もない僕は
あれこれと考えては
みるけれど、それらしい
答えが見つかりません
僕の中の君の価値観
君の中の僕の価値観
比べてみる事は
出来ないけれど
同じだったらいいのにな
ふと…不安になって
子供の様に確かなものを
欲しいと思うのです
茜色の帰り道
夕暮れに伸びる影
僕の影の中に
君の影が隠れた
互いに伝わる温もりは
なによりも心地よくて
愛しさと切なさの
意味を初めて知った
多分、わずか数秒のキス
唇が触れるだけのキス
背伸びした君が
震えているのがわかった
君の震えを包み込む様に
ありったけの気持ちで
ギュッと抱きしめて
優しさと責任を知った
耳元で囁いた初めての
『大好きだよ』
君は僕が守るから
『大丈夫だよ』
ちょっとだけ背伸びした
僕らの初恋を
茜色の空に染まる
海だけが見ていた
ちょっとだけ背伸びした
僕らの初恋は
大人への階段を
一歩ずつ登りはじめた
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