ぎぶみーちょこれーと

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 これは地球から遠く離れた惑星の話。  偶然にもこの星は地球と同じ過程で進化を遂げ、人類が生き物の覇を握り、現在の地球と同程度の文明が発達していた。  仮にU星としよう。地球と相似したこの星だが、明確に違うのは地球人に比べU星人はほんの少しだけ、科学の進歩が遅れていた。そう、ほんの少しだけ。  具体的かつ重要な一例を挙げれば、それは核兵器。その為に互いに決定打を欠いた人類同士の争いは留まることを知らず、U星は複数の国家による世界大戦規模の戦争が長い間続いていた。  その数ある争いの中、東洋の島国N国と膨大な国土と資源を有する大国A国の戦争は終わった。  A国はN国を物量で下すと属国として扱うべく、軍隊を駐留させた。  この話の中心人物K氏はこの駐留軍の一兵士。治安維持を目的とし市中を見回る部隊に居た。  日課となっているジープでの見回りの途中で、退屈になったK氏は同僚に声を掛けた。  「なあ、T氏。なんだってお偉いさんはこんな面倒なことをするんだ?属国なんぞにしなくても、こんな黄猿共は皆殺しにしちまえばいいんだ。」  冗談めいた問い掛けにT氏も調子を合わせる。  
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