ぎぶみーちょこれーと

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 結局その場に居た子供達を全員殺害した2人は、疲労困憊し部隊の駐屯地へ帰還した。上官へは民間人の反乱があり、自分達は説得したが聞き入れられずやむなく武力で解決したと報告し、同時に3日間の休養を願い許可された。  酷く疲れていたK氏はT氏と別れ、自室へ戻るとベッドに倒れ込んだ。とりあえず休もう。考えるのは後だ。疲れている。休まなければ。K氏は深い眠りに落ちた。  夜中、ヒソヒソ…と人の話す声で目を覚ましたK氏は、声にならない声をあげた。  「ぃ…………!」 瞼を開けたK氏の目には部屋の天井が映る。その天井が一面、子供の顔で埋め尽くされていた。見覚えのある顔…そうだ、昼間に俺達が殺した子供たち。  K氏は動くこともできず、がくがくと震えることしかできない。  「起きた…糞神様殺した奴起きた…」  「起きた…」  「起きた…起きた…」  天井の子供たちが一斉に喋り出す。  恐ろしい、夢だ、悪夢だ、こんなことがあるはずがない。そうだ、冷静になれ。そうすれば夢から覚めて…  「夢じゃないよ。祟りの力。糞神様の祟り。」  「僕達お前に殺された。糞神様の力で仕返しする。」  何なんだ、糞神様とはあの婆さんのことか?あの婆さんが俺を祟っているのか?K氏の心を読むように数人の子供が答える。  「糞神様うんこ馬鹿にすると警告する」  「ちょこれーと、うんこに似てる。お前らそれを投げた。うんこ投げると糞神様怒る。」  「糞神様、警告しかしない。でもお前ら殺した。もうおしまい。」  K氏は必死に声を絞り出し言い返した。  「あの婆さんは汚いうんこを俺に渡したんだ!誰だって怒るだろう!」  すると子供達は一斉に笑い出した。  「A国人馬鹿」  「分からない馬鹿」  「糞神様分からない馬鹿」  A氏はもはや、すがるようにして子供達の亡霊に叫んだ。  「おしまいとはどういうことだ!お前達は俺を殺すのか!?俺が終わりだということか!?」  狼狽したA氏に、子供達は表情に似合わぬしゃがれた声で答えた。  「この世の流れは食物連鎖と同じ。強き者が弱きを喰らい、喰われた者の終わりはうんことなり大地を川を海を流れる。」  「肛門じゃよ。肛門が無ければうんこは無限に垂れ流される。命の流れも同じこと。肛門のごとく命を司る神が糞神。つまりわしじゃ。」 天井に張り付く無数の顔が、いつしかあの老婆のものとなっていた。
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