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「おしまいとはお前の命だけが失われる訳ではない。文字通りこれから世界が終わる。決壊したダムから流れる濁流のごとく、うんこが溢れ出し全ての命を飲み込む。わしという肛門が無くなったせいでな!」
老婆達はニイッと笑うと一斉にその姿を消した。それと変わるように同数のお尻が天井から姿を表す。メリッメリ…無数のお尻の中心部(アヌスと呼ばれる部分)が薔薇のように開き始める。
「………!!」
K氏にはもう何も考えることが出来なかった。ただ繰り広げられる光景に驚くのみである。
ボタッ…ボタッ…ボタボタッ…K氏の頭に頬に肩に身体中に天井から沢山のうんこが降り注ぐ。それはあっという間に部屋を埋め尽くし、K氏の身体までも飲み込んだ。
溺れ死ぬ…K氏の脳裏は死の恐怖と生への執着で一杯になった。もがいてもがいて、何とか窓際までたどり着いたK氏が見たのは窓に映る自分の姿。
全身うんこまみれで口からゴボゴボと糞を吐き出しながら、必死にもがく男。それが自分。
受け入れよう。死を、全てを。美しいじゃないか。星を包むうんこという名のライフストリームに一番に飲み込まれる。幸せだった、俺の人生は。
K氏の思考はそこで止まった。
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