~唄~

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「プロトタイプ(試作品)」 どうしよう…昨日謝れなかったこと 今日謝っても許してくれるだろうか どうかなぁ…今日嬉しかったこと 明日話しても上手く伝わるだろうか 僕らは常に生きているということで あれこれ考えたら全然時間が足りません 箱に捨てられた子犬 差し出したてのひらに彼は喜んだ 可愛いと可哀想という感情 それ以上彼にしてあげられることはない 道端にうずくまった子猫 差し出したてのひらに彼女は牙を剥いた 人に心を許そうとはしない感情 それ以上彼女にしてあげられることはない 例えば午後の陽射しにも似た暖かさで 受け入れられる全てを受け止めて 解りあえることができたとしたならば それはそれで幸せなことなのでしょうか? ある人はおそらくはきっと言うでしょう 同情だとか妥協だとか偽善だとか… 固定観念に縛られて 自分の目に写るものだけが 正しいのだと錯覚する 愚かなことだと笑うことはできるけれど 実は僕もその内の1人なのかも知れません 見えてるつもりで見えていないこと ゆっくりと旋回する飛行機雲に乗って 眺めてみてはいかがでしょうか? 解ってるくせに解ってないふりをすること クシャクシャに丸めた 100点の答案用紙を捨てていませんか? 目に写るもの 聴こえるもの 感じるもの 伝わってくる全てのものに 素直で誠実でいられる自分になりたい 僕は僕になるために作られた プロトタイプ(試作品) 世界でたった一つだけの… おそらくは誰かにとって必要な存在 そんな夢を見つめ続ける プロトタイプ(試作品)
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