210人が本棚に入れています
本棚に追加
/91ページ
きっと羽ばたける
強がりな君の横顔を
僕はただ見つめるだけで
それでも君が心開いたら
そっと優しく受け止めるから
過去の君に降り注いだ
降り止むことのない雨は
今の君を作っただろうが
僕は雨が嫌いになった
一人傷をつけるくらいなら
一人で抱え込むぐらいなら
ほら今そっと手差し延べるから
笑ってよ
笑顔が似合う君でいてほしい
終わりなき慟哭(ドウコク)の果てに
一体何があるのだろうか
終わりなき猜疑心(サイギシン)の果てに
一体何があるのだろうか
何もないと気付いているなら
今踏み出して
その一歩を
ふりだしに戻るのが怖いのかい?
まだ人生は始まったばかり
綺麗事で固めた僕の言葉に
涙流せるなら
君はまだ羽ばたけるから
前を見てよ
後ろだけでなく
確かに歩いてきた足跡は
君が望むように
消えたりはしないけど
変わろうよ
勇気を出して
その先はまだ見えないけど
君は何もないなんて
悲しそうな瞳で
だけど鋭い口調で
僕に告げたけど
その言葉が嘘だって
僕は気付いてるんだよ
頼むから
僕の前だけでは
嘘をつかないでくれ
凛としたその表情も
刺のあるその言葉も
全部君なら
僕は向き合うから
投げやりになるなよ
まだ始まったばかり
諦めるにははやいよ
差し障りのない言葉でしか
君の話を聞けないけど
そんな僕の言葉に涙流せるなら
まだ君は羽ばたけるから
.
最初のコメントを投稿しよう!