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（何ちゅう奴や…。ここ一番のピンチで今までにない最高のシンカーを投げてきやがった！！美堂龍馬はやっぱり天才や！この試合勝てる！選抜の覇者に勝てるぞ美堂！）
１アウト満塁、さらに次のバッターは甲子園２試合で２ホーマーを放っている３番の上田。まだピンチなことに変わりはないが、さっきの球を受けた相川は美堂の球なら誰が相手でも打たれる気がしなかった。
そのくらい美堂の上川に投げたストレートとシンカーは過去にない凄い球だったのだ。
相川からストレートのサインが出る。
美堂は頷き足を大きく上げる。そして斧を振り下ろすかのように垂直に出てくる右腕。
美堂のフォームはいつもと同じだった。
だが、いつもと違った…。美堂から放たれる威圧感、気迫感がこの一球には全く感じられなかった。
それには理由があった………。
この時、肩の激痛のせいで美堂の意識は半分なかったからだ……。
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