2人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
「オヤジン、ぼくはもう準備できたよ。早くいこうよ。」
玄関でコゾーが騒ぎ始める。
元々孤児で身寄りのなかったコゾーにとってオヤジンは、
友達であり、師匠であり、父親であった。
なんだかんだ言って、オヤジンとの仕事はコゾーの楽しみ。
コゾーは仕事に早く行きたくていつも玄関に一番乗りをしている。
「うし、準備完了っと。」
「オヤジン早く、雪積もってるよ、雪だるまできるよ。」
「おっすごいな、真っ白だ。」
見ない内にだいぶ積もった雪。
コゾーは目を輝かせている。
「さあ、ひどくならない内に行くぞ、コゾー。…って」
「すごーい、冷たいや、おーいオヤジーン。」
見るとすでにコゾーは外ではしゃぎ回り、無邪気に手を振っている。
「やれやれ、おーい遊ぶのは後だ、広場へ急ぐぞー。」
「はーい。」
白と黒が交差する景色に流されるように、
コゾーとオヤジンは歩き始めた。
最初のコメントを投稿しよう!