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「オヤジン、ぼくはもう準備できたよ。早くいこうよ。」 玄関でコゾーが騒ぎ始める。 元々孤児で身寄りのなかったコゾーにとってオヤジンは、 友達であり、師匠であり、父親であった。 なんだかんだ言って、オヤジンとの仕事はコゾーの楽しみ。 コゾーは仕事に早く行きたくていつも玄関に一番乗りをしている。 「うし、準備完了っと。」 「オヤジン早く、雪積もってるよ、雪だるまできるよ。」 「おっすごいな、真っ白だ。」 見ない内にだいぶ積もった雪。 コゾーは目を輝かせている。 「さあ、ひどくならない内に行くぞ、コゾー。…って」 「すごーい、冷たいや、おーいオヤジーン。」 見るとすでにコゾーは外ではしゃぎ回り、無邪気に手を振っている。 「やれやれ、おーい遊ぶのは後だ、広場へ急ぐぞー。」 「はーい。」 白と黒が交差する景色に流されるように、 コゾーとオヤジンは歩き始めた。
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