肉体×頭脳 merry happy

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「はぁ…、やっと終わった。」 クリスマスで賑わう人混みに紛れて、俺は小さく息を吐いた。 嫌な話だけど、人混みの中が一番危なくて、一番安全なのだ。 敵は人混みでターゲットを狙わないし、俺達も人混みでは活動出来ないのだ。 だか、 「…疲れた。」 怪盗として、裏社会を生きる自分。 ある時は忍び込んだり、ある時は戦ったり。 どちらかと言えば頭のよく冴える自分は敵の裏をかいたりと、体より頭を使うのだ。 しかし、いくらIQ180と言ったって頭を使えば疲れる。 慣れてしまったと言えば、まぁ慣れてしまったのだろうが、なんだか落ち着かない感じにはいつまで経っても慣れなかった。 「クリスマス、かぁ。いいよな、呑気で。」 横を通り過ぎるカップルを見て、思わず言葉にしてしまった。 独り言とか… 駄目だ、なんか疲れてるみたいだな、俺。 コーヒーでも飲んで帰ろう。 そう思って歩き出した。 しばらくして、ケーキ屋付近で着ぐるみやらサンタコスした人たちが何かのチラシを配っていた。 捕まると面倒だと思い、歩くスピードをあげた途端、目の前に大型のサンタが立ちふさがる。 「メリークリスマス!メリークリスマ…あ。」 「……うわ。」 訂正。 サンタではなく、大型の筋肉バカが立ちふさがった。 「はぁ、何してんの…?こんなところで。」 「オレはアルバイトだ。今日は早めにミッションも終わったしな。」 「終わったからバイトしてんの。あんた本当にバカじゃない?」 「バカとはなんだバカとは。お前こそ何してんだよ。」 ただでさえ疲れてるのに… 何でコイツなんかに会うんだよ。 「ミッション終わって今から帰るの!邪魔すんな!」 ちょっとキレ気味で睨みつけてみた。
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