僕の隣には花

咲き誇る、桜

　
座り込む後ろ姿から、その人が女性ということだけは分かる。

自分だけの場所、そう思っていたそこに他人がいるという事で抱いた感情。

言いようの無い、不快さ。違和感。寂しさ。

でも、そんな感情よりも。

舞い散る桜の中に佇むその美しさに、僕は。

無意識の内に、彼女に向かって歩を進めていた。