43人が本棚に入れています
本棚に追加
「……あの、何か?」
彼女の不思議そうな声に、はっと我に返る。
どうやら僕は、彼女の顔を見つめ続けてしまっていたらしい。
い、いけないいけない、これじゃ怪しい人だと思われてしまうじゃないか!
「す、すいません!ぼうっとしてて……」
首を傾げる彼女に、僕は慌てて頭を下げた。
「……ふふ」
小さな笑い声が聞こえた為顔を上げると、彼女はまた先程と同じ微笑をその顔に浮かべている。
「少し、お話ししませんか?」
考える時間なんて必要なかった。
僕は彼女の言葉に、自分でも知らない内に首を縦に振っていた。
最初のコメントを投稿しよう!