192人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ん゙‐…」
瀬名が目を覚ますと…
予定では1~2時間だった睡眠もすっかり寝過ごし、辺りはもう薄暗くなっていた。
そろそろ、午前中に溜まりに溜まった霊を成仏させる時間だ。
他の4人は、まだよく眠っている。
(ちょっと見回りに行ってくるか…)
鬼霊がいないことを祈って、瀬名は屋上の階段を降りていった。
◇◇◇◇◇
「ありゃま…」
いつものこととはいえ、今日は多い。ノロノロと床を這っているものもいれば、スイスイと飛んでどこか楽しそうなものもいる。
(カオスだ…)
今日は、鬼霊の気を感じなかったため、安心した。
「……よし。」
(屋上戻って、あいつら起こしてくるか…)
前髪をかきあげながら、引き返す。
(………頼むから、憎んでくれるなよ…)
鬼霊だって、魂だから…退治して気持ちいいわけがない。
けど、やらなければならないことだから。
ゆっくりと、階段を上っていく。
「………はあ…」
(早く終わらせて寝よう…)
.
最初のコメントを投稿しよう!