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忘れたくても、忘れられない。
あの日…
瀬名の運命は大きく変わった。
5ヶ月前ー…
入学式も終わり、数日経ったころ。
(よし、帰るか…)
帰り支度をすませ、教室を出た。
その瞬間ー…
「―――…っ!?」
凄まじい力で引き寄せられたかと思えば、次の瞬間には気を失っていた。
「………ん…」
目が覚めると、見知らぬ部屋。
瀬名は椅子に縛られていた。
何が何だか分からないまま、キョロキョロと辺りを見回すが、何ひとつ見知ったものはない。
(な、何が起こったんだ…)
頭にたくさんのクエスチョンマークを浮かべていると、背後から声がした。
「――お目覚めかい?」
低く、耳に残る声。
「だ、誰だよお前!!ここどこ…」
「…一度しか言わない。静かに」
――ビクッ…
質問攻めをやめると、満足したのか男は続けた。
「君には、素質がある」
(素質…?)
「なん、の…」
「HUNT」
(ハント…?)
「――…君達は、選ばれし人間だ。誇りに思うがいい。」
「だから、意味分かんねぇって!!」
(何なんだよ…!?けど、嫌な予感がする‐…)
「仲間の証だ。取ってはいけないよ、HUNTの法律だから。………目を閉じて…」
―――バチンッ
「―…ッ!!」
左耳に違和感。ジンジンとした痛み。
「仲間の印。覚えておいて」
瀬名の拘束を解きながら、男は続けた。
「……HUNTは君だけじゃない。001、君の活躍を祈っているよ…」
◇◇◇◇◇
あの頃、オレは若かった…。
そんなことを思い出しているうちに、教頭の説教は終わり、5人はダラダラと指導室を出た。
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