色の無い世界

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今日の授業が全て終了して、俺が帰り支度をしてから席を立ち上がった時には、3時半くらい。 普通の学校の授業がどのくらいの時間で終わるのかは知らないが、毎日このくらいの時間には放課になるらしい。 「バイバイ、ネオン君」 「ああ」 同じクラスの子に挨拶されたから、俺はいつものように素っ気ない態度で返した。 すると、彼女らも満足したのかニコニコしながら手を振って、教室から出て行く。 俺は右肩にカバンを下げ、ため息をついてから寮へと向かおうと足を進めた。 「ほら、はやくしなよテルル」 「女の子はいろいろ忙しいの!」 「ネオン待って!」 仲良し3人組が後ろからワイワイ騒ぎながら一緒に帰ろうと追いかけて来たんだ。 俺はその場に止まって少しだけ待ってやった。 やがてみんな集合して、相も変わらずにぎやかにおしゃべりしながら教室から出たのだった。 「そういえば、ネオンは寮生活なの?」 下駄箱の辺りで、ふとリンが思い付いたように問いかけて来たから、俺はそっちに目をやる。 「ああ」 「へぇ、じゃあテルルと一緒だ!やったねぇ、憧れの美少女とおんなじ寮に住めるなんて、ネオンは幸せ者だ!」 自称憧れの美少女テルルが、自分で言ってバカみたいに笑いながら、後ろから俺に抱きついてきた。 決して重くはないから全然問題はないのだが、周りの目と恥ずかしさがまとわりつくため、俺は静かに彼女を引き剥がした。 「お前も寮なのか?」 片手でフードを引っ付かんで持ち上げると、俺は若干のサディストっぷりを発揮した苦笑いを浮かべながら言った。 テルルは俺の手に引っ掛けられてぶらんぶらんしながらも、嬉しそうに笑って言った。 「うん。後で部屋の番号教えてね、遊びに行くから」 「あ!テルル抜け駆け禁止!アタシも遊び行く!」 「じゃあオレも遊び行く!」 どうやら退屈しなくても済みそうな生活が待っていそうだな。 なんてちょっと楽しみが増えた気がした。 だから俺は、何の躊躇いもなく彼女らに、自分の部屋の番号を教えてやった。 すると3人組は跳び跳ねて喜ぶから、そんなに嬉しがってくれるとこっちまで嬉しくなって、俺は気付かない間に笑っていたらしい。  
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