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俺たちはトレーラーに乗り込み、中の広さに驚愕しつつ多少ながら興奮していた。
ラメ入りの車体に20インチのタイヤが輝き、ガラスにはスモークが入っている。
全員が座ってもかなり余る椅子、ただ広いだけの荷台、運転席もかなり弄ってある。
そして何よりエンジン音…
700ccの可燃料バイクでも相当な爆音が弾けるのだが…、このトレーラーも負けちゃいない。
サスペンションもスポーツにしてあるのか、足周りはかなり固めてある。
「けっこう弄ってあるな」
俺は運転席に座る局長に向けて引き吊った笑みを浮かべながら呟いた。
「子は親に似るもんだろ?」
ちょっとだけ、ホントにちょっとだけ子って言われたのが嬉しかったり…。
それを隠すために顔を見せずに荷台の方へ移ろうとしたら局長に鼻で笑われた。
荷台にはおおはしゃぎするラドンとテルルに制裁を訊かすリンとローレンの姿があった。
賑やかになりそうだな、なんて呑気なことを考えてため息をついたら、4人そろってこちらを振り向いた。
「…………なんだよ」
代表してなのか、テルルがふわふわと1人近寄って来た。
それからニコニコしながら俺と同じ視線の位置まで上昇する。
「…どうした?」
「テルルたち、後悔してないからね!気にする必要なんかないから!!」
ああ…、やってしまった…。
みんなの前なのに…
だって仕方ないだろ?
ちょっと抱き締めるくらい構わないよな?
「……ネオン?……みんな見てる」
ギュッと抱く力を強めると、テルルのか細い声が聞こえる。
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