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「キリーク少尉!キリーク少尉はおられるでありますか!」
第666実験部隊より、新兵を連れてきた、特務兵が叫んだ。
キリーク「私はここだ。」
葉巻に火を付けながら、キリークは答えた。
特務兵「本日より、第88装甲機鋼兵団に、入隊する新兵を連れて来ました!」
少し緊張した様子で、ピシッと敬礼した新兵だ。
キリーク「上層部からは、何も聞いてないが?」
葉巻の煙を吐き出しながら、キリークは答えた。
特務兵は、少し戸惑った様子で、手元の資料を見る。
特務兵「しかし…上層部より…通達が来ておりますが…。」
特務兵ももう一度確認しながら、通達書を見直した。
キリーク「わかった。で、貴様名前は?」
新兵の眼を真っ直ぐ見つめながら、キリークは、話かけた。
新兵「はっ!只今より、第88装甲機鋼兵団に配属しました!
ロビンソン・ゲイツであります!階級は、伍長であります!」
緊張した口調でゲイツは答えた。
キリーク「フレデリック!こいつに、お前の05を下ろしてやれ。綺麗にコクピットは掃除してな。」
少し笑みを浮かべながら、キリークはフレデリック軍曹に向かって叫んだ。
フレデリック軍曹「隊長~!同時に2つってぇのは、いくら何でも無理ですよ~!」
フレデリック軍曹は、コクピットから、色黒の顔をひょっこりと出して答えた。
ゲイツ伍長「自分のMSは、自分でやります!」
ゲイツは声高らかに答えた。
キリーク「よしゲイツ伍長。明朝には、出撃する。それまでに、整備しておけよ。」
ゲイツ伍長「隊長!ゲイツで結構であります!」
緊張はまだ解れないまま、ゲイツ伍長は、自分の機体に走って行った。
キリークは、その後ろ姿に、若き日の自分を見たのであった。
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