学校へ行こう

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私はお兄ちゃんの妹。でも、千尋ちゃんは違います。 三人まるで兄妹のように暮らしているけれど、私もお兄ちゃんも千尋ちゃんを大切な家族だと思っているけれど。それでも、やっぱり千尋ちゃんはお兄ちゃんにとって一人の女の子なんです。 「でさでさ、そこのクレープが超おいしーんだって!」 「またお前は食いもんの話かよ……太るぞ?」 「ブッブー、残念でしたぁ。千尋は食べても太らない体質だもんねっ夏生にーみたくメタボにはならないもん」 私は知っています。兄妹のようにじゃれあっている二人だけれど、本当はお互いに意識しあっているのだという事を。 お兄ちゃんは千尋ちゃんが好きで、千尋ちゃんもお兄ちゃんの事が好きで。もしかしたら、ううん絶対に気づいていないんだろうけれど二人は確かに両想いなんです。 だからいつかは……いつか二人はきっと、恋人になって。そうしたら、やっぱりふたりきりで歩きたいに決まっています。 そうなった時、私はこの場所を失ってしまうのでしょう。二人の少し後ろという、居場所を。
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