点滴

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(イライラと腕時計を見る。頭の中が彼の事しか考えらない。 少し早いが、仕事を切り上げ、彼の元へ向かう。 部屋に独り残された彼の側に寄り、器具の具合を見る) まだちょっと残ってるけど… (彼の内部に入り、一体になっている器具から送り込まれている液体の残りをそのままに、彼から抜き出そうとする) …あっイャ…抜かないで…全部////僕の内にちょうだい//// (頬を染め、潤んだ唇に、まるでウサギのように紅い瞳で、物欲しげに見つめてくる。 俺は彼の言葉に薄笑いを浮かべ、彼を見つめ返す) …じゃぁ一滴残さず、君の内に入れるよ… (器具の具合を調節し、動きを限界まで早くする。 こちらを見つめる彼を見つめ返し、ふと疑問がよぎる) …こーゆうの…初めて? (彼はこくんと頷き) ……初めて////// ごめんι初めてだったのに…かなり痛い思いさせちゃったねι (苦笑しながら、彼に詫びる。 ここから見える痛々しい痕が、申し訳ない気持ちを増幅させる) 良いんです!!////自分で…望んだコト、ですから…////// (恥ずかしげに、頬を染め、はにかむような笑顔を見せる。 液体が彼の内に入りきる。 動きを止め、固定を外し、彼の内から器具を抜き出す。 器具を片付け、彼の躰を拭き、手当てをする) …なるべくじっとして、動かすと酷くなるから。 (傷口に触れないように服を着せる。 彼を帰したくないと思うが、自分には彼を引き止める理由がない) …気を付けて… (感情を込めず彼に言う。 彼が俺をじっと悲しげに見つめ、目を伏せる) …はぃ… (小さく返事をし、彼が部屋を出ていく) 【終】
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