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「誰だよ…」
夜中の2時、携帯の音で目が覚め、取る。
「もしもし?ちょっと、窓開けて!」
あ?窓!?と、思いつつベットからのろっと起き、カーテンを開ける。
鍵を開け、窓を開けながら
「またかよ。どうせ顔パスなんだから、玄関から入れよι」
そう、お隣さんの幼馴染み『橘晶(たちばなあきら)』はいつも自分の部屋から直接俺の部屋に来て、指定席のように俺のベットに座る。
「いいじゃん!こっちの方が近いし」
いつもこの調子ι
「で、今日は何?また失恋?」
俺の指定席の勉強机の椅子に、逆向きに座り、背もたれを肘置きにする。
夜中に俺の部屋に来るのは、決まって失恋。
「……うん…でも、今回は…」
いつになく神妙…窓から差し込み月明かりで、横顔がいやに大人っぽくて……
「あのさ……もし…私が…真のこと、好きって言ったら…驚くよね」
驚き過ぎて固まる。産まれた時から兄弟同然で、散々俺をイジメてきたコイツが…??
「んなキツイ冗談……いくら俺でも、怒るぞ?」
「……だよね。ごめん!!つうか、ユミがあんたのこと好きだって!前、ユミの事、好みだって言ってたでしょう?付き合っちゃえば??」
慌てたように立ち上がり、窓の前に立つ。
「ごめん…さっきの……本当忘れて」
スーっと窓から出ていく。
「は?つうか……ま、いいか」
わざわざ冗談言いにこんな夜中に部屋来たのか?とりあえず寝よ。
布団に潜り込み、直ぐ爆睡する。
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