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ドアに鍵をかけると、
目的地へと歩き出す。
向かうのはバイト先。
家から徒歩10分程の場所にある
なかなか見つけにくいそこは、こ洒落たBar。
店の名前は「Irre」
意味は知らない。
あの人の事だからきっと
名前の由来は「なんとなく」だろう。
木製の黒いドアを開けると…、
すぐ目の前に人が立っていた。
少し驚きながらも
その人物を確認すると
「あの人」こと
水谷 司(ミズタニ ツカサ)さんだ。
司さんも驚いたのか
少し目を大きく開けて言った。
「おお、馨くんじゃないか」
俺は少し微笑みながら言う。
「司さん、こんにちは」
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