新城 馨

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嫌な夢を見た。 忌まわしき過去の夢。 償うことのできぬ罪 罪というのは少し語弊がある。 彼が抱いたのは罪の意識 それは同時に自らの心をも、 傷付けていた。 いつの間にやら 深く深く記憶の底に根付くそれは 彼に決して安息をもたらせない。 神の悪戯か運命か定かではない しかし、何事にも必ず「意味」がある 相手も傷付き彼自身も傷付けた 恨みや罪の意識。 償いは無理でも 救いが欲しい。 恨み哀しみを一身に背負った幼き頃の彼 そして図らずとも その罪、変えられぬ過去を 一生背負い続けるであろう彼に、 未だにまだ付いて回るは 人殺しの罪。
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