糸の章

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「何か伝言があれば 伝えておきますよ。」 どんな言葉も もう上辺だけのものにしか 聞こえなかった。 あの人に吐いた言葉に 刑事のにこやかな仮面の裏側を 見た気がした。 コイツらも 私たちの歩いている場所を バカにしてるんだ。 だけどそれが私たちの道。 「何もありません。」 そして交わってはいけない道。 あなたの想いだけで それだけで私は生きていける。 あなたはこんな不穏の連鎖から 早く逃れて。 こんな思いを引きずるのは 私だけで充分よ。 私の全てを知っても 罪を知っても 優しい言葉をくれてありがとう。 一生忘れない。 ありがとう ありがとう 翔平 ずっとあなたのこと………………
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