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留置場は冷たく
気持ちを闇に落とし込む。
「き……っと…………
何年た………ってもこ…うして
変わらぬ気持ちで…………」
口を噤んだ。
牢の隅で小さく座る。
ずっと思ってた。
あの頃の美しい情景と共に
家族みんなで
迎えては見送る四季をもう一度
取り戻せたら
どんなに幸せだろうと。
だけど今は……………………
許さないでくださいね
あなただけは私の望み
―――――――――夏は緑
秋は紅葉
冬には雪が降って
春には桜の花びらが降る
その景色を
翔平
あなたと
これから紡ぐ長い長い時間の中で
あなたと
2人で見ることが出来たら
これ以上の幸せはなかったのに
――――――The end―――――
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