序章

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がくがくぶるぶる 俺の聴覚が正常を保たれていたならば俺の後ろに座る甲賀さんは俺に聞こえるか聞こえない程度の声量で殺害予告をしやがった。 俺の聖水は空っぽだったのでこれ以上の被害は被らなかったけれど、膝の震えがとまらない。もし俺が巨乳だったなら男子生徒の視線を釘付けに出来るくらいに。あっ、巨乳なだけで視線は集まるか。 転校生が美少女という一大イベントからクラスもようやく落ち着きを取り戻し、ヨーコ先生からの大事なお知らせに耳を傾けている。 俺はというと真後ろからの殺気のせいで蛇に睨まれた蛙のように動けずにいる。 …なぜは俺はこんなにもこの転校生に恨まれてるんだ? 俺は常に紳士であれ、と父から言われ育ってきたので女性に対して恨みを買うようなことは幼少期であれ絶対にしてないはずだ。それは断言できる。 となるとおそらく直接的でなく間接的に恨みを買ってしまったのだろう。例えば俺がモテすぎて嫉妬してその嫉妬心が殺意に変わってしまったとか。あぁなんと罪深い男なのだろう。
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