序章

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◇◆◇◆◇◆◇ 「翔、どうせ今日この後用事ないんでしょ?」 ヨーコ先生が帰りの挨拶をして学校が終わり、すぐにでもこの教室から出たかったのだが、茜に捕まってしまった。 待てよ…茜と一緒にいれば 「ないよ。なんだ今日弓道部休みなのか」 俺は帰宅部、茜は弓道部なので帰るときはほとんどバラバラだ。 たまに弓道部が休みのときは買い物などに行くことがあるが、デートと呼べる代物ではない。 俺が料理が下手なので茜にアドバイスをもらったり、夕飯の買い物に付き合ってもらうのだ。(代償が高いけど) 俺の父親は現在単身赴任中であり、母親はだらしない父親を助けに行き、俺は1人暮らし中なのだ。 そこで両親はお隣さんであり交流の深い成瀬家に俺を養ってもらうよう頼んでいるのだ。 実際は家事全般と炊事は俺がやって月に数回、成瀬家にお邪魔して夕飯を召し上がっているぐらいなのだが、茜はバイト代として両親からいくらか貰ってるそうだ。俺には必要最小限しか仕送りしないのに。 「そう、ならよかった。 転校生の甲賀さんが話したいことがあるって… ちょっと翔、話聞いてるの?」 さて帰ってパンツの洗濯しなくちゃ
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