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目が覚めて最初に目に付いたのは、チカチカと今にも消えてしまいそうな電灯と、所々薄汚れた灰色の天井
二、三度まばたきをし、視界をはっきりとさせると、俺はゆっくりと体を起こした
それに伴って、横になっていた医療用であろうベッドが軋みをあげる
(ここは…どこだ)
わからない
頭の中が漂白剤で洗われたかのように真っ白だ
なにも覚えていない
目が覚める前の事も
自分の事すらも
(俺…は…)
自分の手を見た
所々煤けて真っ黒な手のひら
(誰だ…?)
なにも わからない
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