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ある朝、母にこう云われました。
「海を挟んだ街にいるお爺ちゃんの家に林檎を届けに行ってきなさい」
なんで僕が行かなきゃいけないのだろう。
「なんで僕が行かなきゃいけないの?」
もちろん、すぐに母に聞きましたよ。
「私が行くの面倒くさいからよ」
林檎がぎっしり詰まったリュックサックを渡されながら、母は満面の黒い笑みで云った。
あぁ、そうですか。
なんとなく分かってましたけどね、オカアサマ。
「途中で林檎食べてもいいから…シャリ…ね、一個くらい食べても…シャリ…バレないと思うから……ぅっぷ」
…とか云いながら、貴方。
何リュックサックから林檎一つ取り出して食べてるんですか。
「わかりました、いってきます」
あまりにも母がツマラナイので、とりあえず僕は家を出ました。
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