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ブティックフロアを一通り見た私たちは階段付近のカフェで休憩をしている。
『気に入ったお店は有りましたか?』
『1つのお店でコーディネートせずにこのフロアでコーディネートすればかなりオシャレな感じになるんじゃないかな。』
すべてのお店で店長さんと会話をしながら品物を見ている翔さんを見て、流石モデルで活躍してるだけあると思ってしまった。
『曜子さんのブランドなら全て揃えられそうだけどね。』
私のお母さんは個人ブランドを持っている。ブランド名は「RY」「ライ」と読む。このフロアの中央にあり、けして安くはないが圧倒的な質の良さと年齢層毎に合ったデザインが人気を呼び、このフロアのお店も人でいっぱいだった。
私の家の服などは全てRYのモノである。
『私、とても好きです。RYブランド。』
『僕もすきだな。直接着ることは出来ないけれど。』
RYは女性を対象にしたブランドなので、いくら翔さんでも着こなせないらしい。
暫く麻美ちゃんと話していたら曜子さんが指定した時間になったので食品売場に向かうことにした。
食品売場に着くと、曜子さんは休憩所でナンパされていた。
僕は曜子さんと目があったときに手招きされたので、麻美ちゃんの時と同じ様に曜子さんを助けることにした。
しかし、曜子さんに近づいた時に先に曜子さんが僕のことを呼び、そのままその場を去って事なきを得た。
帰りの車の中で僕はふと思った。
こんなにも綺麗な5人と一緒に生活をしてもいいのかと。
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