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受付に行くと担任がニコニコして待っていた。
『いつものように最後よ。』
担任は受付用紙の僕たちの名前にしるしを付けて、胸に飾る華を渡してくれた。
『今日で最後なのね…カケルとトモカズに会うの。』
カケルとはモデルの時の名前で、和貴と共に考えた名前である。
担任にだけバレてしまったが、黙っていてくれたお陰で今まで騒がれることはなかった。
『先生、今まで黙ってていただいてありがとうございました。』
2人揃って礼をする。すると先生は僕たちに近づいて紅くなりながら囁いた。
『……………』
僕たちは頷き、教室に向かった。
式も順調に進み、後は卒業生の退場のみとなった。
その時、ライトが消えてステージの中央にスポットライトが現れ、そこに担任が立っていた。
先生は静かに話し始めた。
『皆様に言わなければならない事が有ります。生徒会長と副会長はステージに来て下さい。』
僕たちは立ち上がりステージに行き、先生の両脇立った。
『じゃあお願い。』
そう言われた僕たちはカツラとメガネを外した。
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