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体育館は物凄い歓声に包まれた。人気モデルの効果だろう。
『卒業生、退場』
合図と共に、僕と和貴は先生をエスコートしながらゆっくりと歩く。
半数以上が唖然としている中で、保護者席から1人の婦人が和貴のところへ歩いてきた。
和貴のお母さんだ。僕のモデルの事を知っている数少ない人である。僕たちの事務所の社長だ。
4人で玄関まで歩き、僕は正門前で止まり3人の方へ振り返った。
『先生、今までありがとうございました。和貴と社長もありがとうございました。2人にはこれからもお世話になると思いますがよろしくお願いします。』
僕は3人に今までの感謝の気持ちを伝えて礼をした。
礼をしていたら遠くから物凄い音を出しながら赤いスポーツカーが迫ってきた。
僕の後ろギリギリに止まると、運転手の人が出てきて僕の事を呼んだ。
『翔君。』
呼んだ人はお父さんの妹の曜子(ようこ)さん。明日からは曜子さんの所でお世話になる事になっている。卒業式の終了に合わせて迎えに来てもらうようになっていた。
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