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『ただいま。』
如月家に明るい声が聞こえた。
リビングの扉を開けると、最初に四女が現れた。
『お母さん、お客様?』
遥ちゃんは僕に気づいてないみたい。
次に長女がリビングの扉を開けた。
『お母さん、お客様ですか~?』
桜ちゃんも気づいてないみたい。
2人はソファーに座ってテレビを見始めた。
すると、三女がリビングに入ってきた。
『お母さん、ただいま帰りました。』
麻美ちゃんは僕の方を見て曜子さんに尋ねた。
『お客様でしょうか?』
『えぇ。』
『お邪魔してます。』
短い会話だが久しぶりに麻美ちゃんと話した。より綺麗になっていてびっくりした。
このままだと誰も僕の変装に気づかないかもしれない。
リビングの扉が開く。最後の希望、次女が現れた。
『母さん、お客さん?』
そう言いながら楓ちゃんはテーブルの上にある野菜ジュースに手を伸ばす。
そして僕と目が合う……。
『翔?』
『久しぶり、楓ちゃん。』
『翔~。』
楓ちゃんが僕に近づいて来て、少し強めに抱きついてきた。
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