揚羽の後宮

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赤毛の短髪、漆黒の瞳。整った顔立ちの彼は、そっと瑠璃の頭をなでた。 「すみなかったな、瑠璃姫。」 それだけいうとでていこうとする彼に、瑠璃は勇気を奮い立たせた。このままチャンスを逃しては、国のみんなに顔向けできないのだ。 「お待ちください、揚羽さま。」 あわててつかんだ袖。 「あっ、あっきゃぁ。」 ずるりとベッドから落ちた。 「いたたたっ。」 手には、彼の紫の服の一部が… 瑠璃は瞬時に顔を青くするが、揚羽が吹き出す方が泣くより先だった。
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