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「いつになったら一人前だって認めてくれんだよ?」
荘吉は、その話には飽き飽きしたようにロングコートを脱いで机に向かった。
「なぁ、おやっさん?」
机まで向かう翔太郎に目を向けず、事件の報告依頼書をまとめだすと翔太郎は溜息をついた。
「ハットには、自分の怒り、優しさ…感情を隠すのに必要なもんだ。半人前にはまだまだ…だ。」
さらに大きく溜息をつくと、翔太郎は渋々、理解をしたような顔をした。
「ところで、今日が何の日か知ってるよな?」
翔太郎は、気持ちを切り替える為に少し声を張り上げた。
荘吉は、寄ってきた翔太郎に顔を近づけた。
「……」
翔太郎は、荘吉の顔をマジマジと見た。答えが聞き取れない。
「え?」と小さく言葉を漏らすと何倍もの声で帰ってきた。
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