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翔太郎は机から顔を上げると、荘吉の娘亜樹子がスリッパを構えて立っていた。
「ちょ、待てよ。」
翔太郎が構える暇無く、《X'mas版》と書かれたスリッパが翔太郎の頭にヒットした。
「起きんかい、コラ!」
「亜樹子、おやっさんは?」
亜樹子の声も聞かず翔太郎は辺りを見渡した。
「お父さん?…お父さんが帰ってきた夢でも見たの?」
「夢?」とつぶやくと、帽子掛けの荘吉の黒のハットを見遣った。
いつも置いてある場所に無いとわかると翔太郎は肩を落とした。
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