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いつだったかな?確か10年前に開発されたワープ装置で、これがあれば、距離は決まっているけど、行きたい所にすぐに行けるのだ。
ただ、小野田が使用してるのは古いタイプで、ワープ装置を起動してから、目的地に現れるまで時間がかかるのだ。
どうやら先に頭が目的地についたらしい。宙に浮く頭は、いつ見ても笑えてくる。
「ハハハ!今時、初期のワープ装置使ってるやついないよ?」
「うっせぇ!お前こそ、自動扉じゃねーかよ!」
宙に浮いた小野田の顔との会話……。なんて滑稽なのだろうか。
「まぁ、よく来たね。早く上がりなよ」
と言ってはみたが、まだ上半身しか現れていない。
「あと一分ぐらい待って……」
僕はあきれてその場で待つ事にした。
それから一分ほど経って、ようやく小野田の全身がその場に現れた。そして、部屋の中へと入ってきた。
「いやぁ…やっぱ初期型はアカンな」
「まぁ…。近場なら歩いた方が早かったりするからなぁ」
「でもよ、もう外を歩いてる人なんて、ほとんどいないぞ?」
そうなのだ。このワープ装置が開発されてから、外を歩く人がほとんどいなくなった。
これが開発される前には、空飛ぶ車が存在していたけど、それすらも今は数が減っている。
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