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「わわっ!?早くしないと遅れちゃうっ!」
「んぅ……?朝から騒がしいな……?何があるんだ……?」
あの『契約』が終わってから、洞窟から出るとおばあちゃんの説教が長々と続き、天華さんと一緒に数時間の正座。
おばあちゃんは私に会いたいということしか天華さんから聞いていなかったようで、まさか契約までするとは思ってはいなかったらしい……。
いわゆる、天華さんのとばっちりにあった。
……そんなこんなで、なんとかおばあちゃんの説教も終わり、家に帰ると、今度は子狐姿になってもらった天華さんを家で飼えるようにと家族に頭を下げるのも大変だった。
私の両親は本当の親では無く、優しい親戚が拾ってくれたので、断ることは無いと思うが、迷惑をかけない為にと、言いづらいというのも本音だったが……。結局、優しい親戚は心配する必要も無いほど快く認めてくれた。
(…っと、説明してる場合じゃなかった……!)
「私は学校があるのっ!忙しいから、ちゃんと家で大人しくしててねっ!」
急いで支度をしている私に天華さんは金髪の綺麗な長い髪に、名残の狐耳と九本の尻尾を生やして私のベッドでのんびりと寝ている。
ちなみに、親戚の夫婦は朝早くに仕事に行くので、家にはもういない。
「……ほぅ、学校か…興味深いな♪私も行ってもよいか……?」
「はぁ…!?絶対に無理っ!……天華さんが遊びで行く場所じゃないんだからね……?」
突然の天華さんの申し出に思わず大きな声が出てしまい、慌てて音量を下げる。
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