妖狐と学校へ。

4/12

215人が本棚に入れています
本棚に追加
/235ページ
「カカカ、空を翔ぶのは初めてか……?」 「う…うん、け…結構恐いんだけど……」 それもそのはず、ただ天華さんにしがみついてるだけで空を駆けているのだ。バランスを崩したら一気にまっ逆さまに地面に叩きつけられて、中学生まさかの空からの転落死になって新聞に載ることになるだろう……。 そんな私の気持ちを知らずに、天華さんは雲と同じくらいの高さを駆けていった……。 「凄い…もう着いた……」 学校に着いて、慌てて教室に入ると、まだ2、3分は余裕があるところを見ると、天華さんの速度がもの凄いことが分かる。 (…それにしても、私の尻尾と耳に気付いてる人はいないのかな……?) 誰が霊感があるかないか等は全く知るよしもないので、ふと周りに視線を配ると、誰も見えてないみたいで、驚いて私を見る人はいないようで、安心して授業を受けた。 そうして昼休み…… 「ねぇ、雛っ!ご飯一緒に食べよ♪」 私は呼ばれて振り替えると、そこには友達の真美(まみ)の姿。とってもいい子でよく話す方だ。 「うんっ……!いいよっ♪」 そうして机をくっつけて、一緒に昼食を食べ始め、他愛もない会話を始める。 「……でさ!売店のお菓子がさ、店番の久美(くみ)さんがふと目を離したすきにごっそり盗まれたんだって!でも、生徒は授業中で大して人も通らないのに、気付かないんだよ?」 (誰も通らない時間にごっそりお菓子が盗まれる……?もしかして……!?) 「えっ……!?それって……もっと詳しく聞かせてっ!?」 「わっ…!?雛には珍しく乗ってくるんだ♪でね……」 ……私が思うに、そんなことできるのは天華さんしかいない……。久美に詳しく話を聞くことにした……。
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!

215人が本棚に入れています
本棚に追加