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「あぁ…!ごめん…!昼休みに先生に呼ばれてたんだった……!」
「ちょっと雛っ!?」
私は真美の話を一通り聞くと、適当に言い訳を付けて慌てるように片付けて出ていった。
(天華さんっ……なにしてるの!?)
悪さは誰にもバレていないとはいえ、盗んだことには変わりない。保護者(?)として、天華さんに一言釘を差さなければならないだろう。
きっと、あれだけ学校に行きたがっていた天華さんだ、絶対にこの校舎の何処かにいると考えた私は校内を探し回ること十数分……。
「はぁ……はぁ……やっと見つけた……」
「ん……?おぉ、雛ではないかっ♪どうしたのだ……?」
やっと見つけた天華さんは屋上で変化した人の姿で柵の上で立っていた。
天華さんは、私の姿を見ると、フワリと跳躍し、私の目の前に姿を現す……。
「どうしたのじゃないでしょ、天華さん……!勝手に売店のものは盗っちゃだめでしょ……!?」
「はぁ……!?私は売り物には手を出しておらんぞ……!?」
「でも……!売店からお菓子が大量に食べられてたりしてるんだから、天華さんしかいないでしょ……!?」
「それはだな……私がよ……」
「天華さん……!言い訳しないのっ……!」
「うぐぅ……」
私の一方的な言い分に、何かを言いたそうな天華さんを止めてしまう。
『バンッ……!』
それを止めたのは屋上の扉を壊れんばかりの勢いで開ける音だった……!
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