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「主は私の後ろに隠れておれ……!」
「う…うん……」
天華さんは直ぐに私を護るように前に出ると、呪文のようなものを唱えて雷を作り、黒犬に飛ばした……!
「くっ……!……えっ……!?」
白犬は身をよじって雷を避けると足が止まる。それに追い討ちをかけるように天華さんは足を凪ぎはらい転ばせる。
「カカカ、真っ正面から飛び込んでは簡単に対処できるわ♪甘いの、若造♪」
転んだ白犬を見て、天華さんは大笑いして嘲笑う。
「…貴方も油断し過ぎではありませんか……?」
「んみゃっ……!」
「天華さん……!」
声が聞こえた頃には目に見えぬ速さで黒犬の方も天華さんに近づいていて、元の姿であろう3m程の大きな犬になって、天華さんを屋上の落下防止のフェンスに叩きつけた……!
「ったく、お前も直ぐに突っ込んではだめですよ……?」
「うぅ…兄貴ごめんなさい……」
天華さんが倒れている内に、白犬も原身に戻り、起き上がると私に歩み寄ってくる。
「い…いや……」
「しょうがないですよ、弱い貴女とその護り神が悪いんですから……」
「そうそう♪俺達に大人しく喰われなっ!」
私を上から見下ろして威圧感をかけてくる犬達に私はギュッと目をつぶってしまう……。
(助けて……天華さん……!)
「「ギャウッ……!」」
喰われると思って目を瞑っていると、犬達の悲鳴が聞こえてきた……!
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