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「ん…ここは……」
「あら、雛ちゃん目覚めたかしら……?心配したのよ…?保健室の前に倒れてるんだから」
辺りを見渡すと、そこは保健室。話を聞くにきっと天華さんが運んでくれたのだろう。
当の天華さんは保健室の先生には見えないため、ソファで狐姿で寝ている。
「さっき、大きな落雷があったみたいだけど、近くにいたのかしら…制服が少し焦げているみたいだし……」
「あっ、いえっ!これは調理実習の時に焦がしちゃったんですっ!
倒れていたのは、えっと…ただの貧血ですから…保健室に入る前に目眩がして倒れてしまったんですよっ!」
適当に嘘をついてみたがバレていないだろうか……霊感があり、見えていれば、尻尾がバサバサと激しく揺れて耳がピクピクと動いているほど分かりやすいが……。
「あら、そうだったの…心配しすぎだったわね……もう少ししたら放課後だから、そうしたら帰っていいわよ」
保健室の先生は胡散臭そうに私を見ていたが、ため息をついて仕事があるのだろうか、机に向かった。
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