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「雛……お前が決めることだ……
雛と私が共に生きてもよいのか……
勿論、お前は苦労することになるだろうが…な」
天華さんはそう告げると私の返事を待つ……。
(…命を狙われるのは嫌だけど…でも……!)
「決めた。天華さんとの契約は切らないっ!」
「お……?それはどうしてなのだ……?なんとなくではダメだぞ……?」
予想外だった部分もあったのか天華さんは不思議そうに聞く。
「もちろん分かってるよっ!命を狙われるのは嫌だけど…天華さんとの出逢い、神様や妖怪の存在を知ることができたのは私にとって嬉しかったの。
それを失うのは嫌だから……天華さんが護ってくれるんでしょ……?」
「カカカ、雛らしいなっ♪もちろん護ってやろう…私は雛の護り神だからなっ!
では、神社に行くから準備をしろ」
天華さんは私に優しく微笑みかけると、自分の尻尾の毛繕いを始めてしまう。
私も軽く返事をすると、出かける準備を始める……。
もう後には戻れない契約をするために……。
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