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私達は慌てて、時計を見ると、結構ギリギリの時間になってる。
「まずい・・・そろそろ行かないと遅れる・・・美佐、凛ちゃんを保健室に連れて行って手当てしてもらえる?凛ちゃんの担任には私が伝えるから」
私が言うと、
「分かった。任せて」
美佐はそう言って笑顔を向けてくれる。
「弘樹くん、凛ちゃん本当にごめんね。私達講堂に行かなくちゃいけないから行くね」
「純矢、美佐ちゃん、後は頼んだよ。美保行こう」
修一はそう言って、私の手を掴んで歩きだす。
修一が学校で手を繋いでくる事なんて無いから、びっくりするけど・・・安心するし、嬉しくなる。
「あいつ、これから大変だな」
私達の様子を見ながら、純矢が苦笑しながらボソッと呟く。美佐は、そんな純矢の表情を不思議そうに見ている。
弘樹くんは、凛ちゃんの手を繋ぎながら、どこか複雑そうな表情をして、私と修一の後ろ姿を見つめていた。
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この出会いが、この後私と修一の間に、ひと波乱を巻き起こす事になるとは、この時は思ってもみなかった・・・
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