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「さて、行こうぜ。生徒会長様に副会長様」
純矢がわざとらしく言う。
「純矢」
私と修一が声を揃えて、純矢を睨んだら、ますます純矢と美佐が笑いだした。
―――――――――――――――
学校に着くと、純矢と美佐は新入生を誘導する為に校門の近くに行き、私達は入学式が行われる会場である講堂に向かっていく。
講堂までに向かう道・・・2年前、私と修一が初めて出会った場所。
私はふと、修一と初めて出会った場所で足を止める・・・ここで修一と初めて会った時、まさかその後恋人同士になるなんて想像していなかったな。
「懐かしい」
私がぼそっと呟くと、
「ここは、僕と美保が初めて会った場所だよね」
修一は私の隣に戻って来てぽつりと言う。私はその言葉に驚いて、修一を見る。
「同じ事、思ってたんだね」
「みたいだね」
私達はお互いを見て、笑ってしまう。どうやら、私達は同じ事を考えていたらしい。
「あの時、雅人くんにぶつかりそうになってなかったら・・・今の状態は無かったかもね」
修一の言葉に私も納得してしまう。
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