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男の子がそう言ってくれたから、私達は顔を上げる・・・そして、私と男の子の視線が合う。
その顔は・・・どこか見覚えがある・・・誰だっけ?
私がそんな事を考えていると、
「・・・あれ?もしかして美保ちゃん?」
男の子がいきなり私の名前を呼ぶ。やっぱり知ってる人だ。
「僕だよ、藤沢麻由の息子の弘樹。5歳まで幼稚園一緒だった」
男の子・・・弘樹くんはそう言って笑顔になる。その笑顔には見覚えがある。
弘樹くんはお母さんの友人の麻由さんの息子で、5歳の時にお父さんの仕事の都合でアメリカに引っ越したんだ。
弘樹くんとは、純矢と一緒によく遊んでたんだよね。
「弘樹くん!?本当に久しぶりだね・・・日本に戻って来たんだ」
私がそう言うと、
「うん。父さんが本社勤務に戻ったんだ。僕は3年に編入で、凛が1年に入学だよ」
「そっか。また宜しくね」
「こちらこそ、宜しく」
私と弘樹くんが言い合ってると、
「美保、修一、講堂行かなくて良いのか?」
後ろから声を掛けてきたのは純矢。いつの間にか、純矢と美佐が講堂の近くに来ていたらしい。
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