第二幕

4/8
前へ
/319ページ
次へ
授業開始のチャイムがなり、机同士を寄せて中央で教科書を開いく。 「良かった~」 「え?」 「前の学校より授業が少し進んでるくらいだったから、ホッとした。」 彼は照れた表情で首の後ろを右手で触れた。 先程、クラスメート達と話している時にも何度か目にした気がする。 きっと彼の癖なのだろう。 「たまに、めちゃくちゃ進んでる事もあって、その時は焦るよ!」 「そっか、大変だよね。」 私が当たり障りのない返答しかできずにいると、教師がドアを開く音に彼も私も視線を前へ向けた。
/319ページ

最初のコメントを投稿しよう!

81人が本棚に入れています
本棚に追加